株式会社NTTデータ ユニバーシティ

第2回 “デジタルオペレーション”の強化 昨年の経験を踏まえ導入した“3つの試み” ―研修運営の視点より


2021年度 ニューノーマル 2年目の新人研修を終えて(第2回)

NTTデータユニバーシティの “ニューノーマル”へ取組みの2回目では、オペレーション(研修運営)の責任者である西江にインタビューを行いました。
2021年度の新入社員研修ではコンテンツと合わせて、研修の実施運営も一歩進んだニューノーマル対応が求められました。
デジタルオペレーションによってどのように受講者や講師、また人事担当者とのコミュニケーションを図り、実施運営を行ったのか、実施結果などを交えつつお届けします。


新入社員研修

NTTデータユニバーシティ サービスオペレーション部長 西江 敏幸



去年と今年の違いや、今年の新たな取り組みがあれば、お聞かせください。

新入社員研修

昨年はコロナの急拡大によって、急ごしらえでオンライン化を進めましたが、研修自体は何とか実施できたと思っています。
急遽の対応でしたが、業務日誌、アンケート、テストを見る限りでは、これまでの集合研修と遜色のない、科目によっては集合研修以上の学習効果がありました。オンライン研修でも決して悪くない、という感触をもつことができました。
ただし、去年は慣れないオンライン運営で、新入社員や、講師に気が回らない状態でしたので、“新入社員は本当に意図したことを理解しているか?”“身につけられたのか?”といったことへの手ごたえは十分に感じられませんでした。
これらを踏まえて、今年は3つの取り組みをしてきました。

1つ目は、デジタル学習環境の改善です。
2か月間のオンライン研修を支えるために、新入社員にデバイス、クラウド学習環境を提供し、研修期間をスムーズにリモートワークできるようにしました。

2つ目は、昨年できなかった、オンラインにおける新入社員の状況把握、メンタルヘルスケアの対応です。
新入社員の学習の状況、心身の健康状態がどうなっているのか、といった状況の把握に努めました。

3つ目は、講師、人事担当者へのタイムリーな情報共有です。
新入社員の状況を講師、人事担当者へスピーディに共有することで、適切な働きかけや指導、学習支援をもらえるようにしました。

すべての取り組みをデジタル対応したことで、情報の取得集計、共有、展開が今までになくスピーディにできました。
また、タイムリーに情報が取得できるので、新入社員に次のリアクションも取りやすくなりました。


新入社員の状況把握は具体的にどういった取り組みをされたのでしょうか?

新入社員研修

特にメンタルの状況把握のために、パルスサーベイを実施しました。
4月は学生から社会人に代わった直後で新入社員が不安を抱えやすい時期ですし、今年はすぐにテレワークになる状況でした。
特に1人暮らしの方は1人で長期間の研修を受けるので、メンタル面の心配をしていました。

パルスサーベイではデイリーで3つの質問をします。
・本日の理解度はどうか?
・気軽に相談できる相手、環境にあるか?
・体調は大丈夫か?

設問の相関、低回答の連続日数、等をもとにアラート基準を設けてピックアップする仕組みになっています。
基準を超えたアラートがでた場合には、要観察から要介入となり、本人に対して実際にアクションする仕掛けです。

ただ、当初はパルスサーベイを実施したほうが良いだろう、ということで検討を進めていましたが、新入社員の負担になってしまう懸念もありました。
ですので、設計に当たっては産業医から質問の仕方、聞いた方がよい項目、設問数、などアドバイスを頂きました。
また、パルスサーベイの製品を出している専門事業者にもヒアリングを行いました。
全てを教えてくれたわけではなかったと思いますが、これらをもとにパルスサーベイを設計、実施しました。


どういった結果が出たのでしょうか?

新入社員研修

導入して分かったのは、アラートが上がりやすい人は、
・学習理解度
・人間関係
この相関でパルスに影響がでやすい傾向がある、ということでした。
特に影響が大きいのは人間関係だと思いますが、これらに起因してパルスに不調が出やすい傾向が掴めました。

後はこれまで、帰社日はJavaの前にした方がよい、要素技術に入ってから理解度が低い人にメンタル不調の傾向が出やすい、といったことを経験則的に把握し、カリキュラムや、インストラクションに組み込んできました。
これが改めてデータで可視化され、我々の経験則の裏付けになりそうだということが分かりました。


データで裏付けされたということですね。

そうですね。
加えて今回分かったのは、早めに声がけすれば、早めに解決しやすい、ということです。
新入社員の中には我々に相談し辛いと感じている人もいますので、声がけすると“気にかけてくれている”という状況を好意的に受け止めてくれます。
また、新入社員自身もパルスサーベイで回答した内容を認識しているので、声がけされたときに相談しやすいということでした。

ただし、今回アラート基準にかからず好調と思っていた新入社員の中にもメンタル不調を抱えている方がいました。
パルスサーベイだけで新入社員の状況を判断するのでは、不十分かと思っています。
これまでの経験と、今回のデータ検証とを組み合わせてサポートする必要があるのかと思います。


新入社員研修では、随時数十社の人事担当とのやり取りがあると思います。かなり煩雑になるかと思いますが、どういった工夫をされていますか?

新入社員研修

今までは、人事担当から新入社員向けの連絡は当社経由で行っていましたが、時間がかかり、伝え漏れも少なからず発生していました。
また、タイムリーな連携が求められることもありましたが、テストやアンケート結果は、週に1度くらいの頻度での連携になっていました。
これについては、プラットフォームを導入することで解決しました。
全ての情報をプラットフォームに集約し、人事担当者と新入社員で直接コミュニケーションがとれる場を準備しました。
人事担当者にもできるだけ育成指導に関与してもらうことも狙いとして環境を準備しましたが、コミュニケーションが活性化され思った以上の効果が得られたと思います。

今年はさらに内定者研修の段階で、プラットフォーム上で当社、人事担当者、新入社員の3者がコミュニケーションできる場を作りました。
ここにリレー形式で自己紹介シートを研修前にアップし、コミュニケーションする取り組みをしました。
研修前から新入社員に一体感が生まれ、温まった状態で研修に臨めたと思っています。


最後になりますが、今後の新入社員の育成はどうなっていくか、お聞かせください。

難しい話ですが、学びのスタイルは大きく変わっていき、今の教育形態はそのうちなくなると思います。
今は新入社員を非常に大きなくくりで捉え、研修運営を画一的に行っています。
例えば、スキル別にクラス分けをしていますが、人数調整などの兼ね合いがありますし、合格基準も一つです。
これまでは、この運営がコスト的にも合理的だったと思っていますが、一方で新入社員の採用時の知識差、スキル差はどんどん広がっています。
今後は新入社員自身の理解度、進捗に応じて学習に取り組む時間を増やしていく、合格点や到達目標も個々の状況に応じて変えていく、パーソナライズ化が必要と思っています。
そのためには、受講者情報を常に収集、分析するラーニングアナリティクスの取り組みが重要になると思います。



新入社員研修



■ profile
NTTデータユニバーシティ サービスオペレーション部長  西江 敏幸
印刷会社での教育出版営業を経て2003年に入社。
営業部門の設立メンバーとして、主にグループ企業創業時の研修・育成体系の導入支援等を担当。
2017年よりサービス部門の責任者として従事。





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