株式会社NTTデータ ユニバーシティ

第1回 コロナ禍2年目で迎えた新入社員研修 ―コンテンツ開発の視点より


2021年度 ニューノーマル 2年目の新人研修を終えて

2021年4月に1,000名を超える新入社員がNTTデータグループに入社しました。
昨年度に引き続き、2021年度も新型コロナウイルス感染防止の観点から、Liveオンライン配信をメインとした研修を実施しました。
ただし、手探りだった昨年度に比べて2021年度はコンテンツやオペレーションに改善を加えて新入社員研修に取り組んできました。
NTTデータユニバーシティがどのようにして、ニューノーマル2年目に取り組んだのか、キーパーソンにインタビューを行いました。
第1回は、新入社員研修のコンテンツ責任者であるサービスディベロップメント部の鍋島の話をお届けします。


新入社員研修

NTTデータユニバーシティ サービスディベロップメント部長 鍋島 七月



今年の新入社員研修の感想をお聞かせください。

2021年度はコロナ禍での新入社員研修の2年目でした。
1年目は走りながら集合研修のオンライン化を検討し、新人研修を止めないことに集中してきましたが、2年目になり本格的なニューノーマル対応とデジタルネイティブな研修設計が必要と感じました。
そこでデジタルネイティブに設計した新人研修に取り組み、結果としては無事に終わり、一定の手応えを感じています。


ビフォーコロナに比べてどんなカリキュラムの変化がありましたか?

インプットスキル、アウトプットスキルの基本的な枠組みは大きく変えていません。ニューノーマルでは働き方や人々の考え方が変わってきているので、その点は研修に反映しています。
分かりやすい例はビジネスマナーです。これまでビジネスマナーで最初に学ぶことは名刺交換でしたが、この1年で皆さん名刺何枚交換しましたかね(笑)
もう過去のものになりつつありますよね。名刺交換の機会がゼロではないので、教えてはいますが、ウェイトは下げています。今はオンライン会議が主流ですから、オンライン会議でのお作法、マナーをしっかり教えるようにしています。
挨拶1つとってもやり方が変わってくるので、ニューノーマルな時代に合わせたカリキュラムにしています。


新入社員の印象はいかがでしょうか?

昨年度は自分たち(提供側)が思っていることと、入社してくるデジタルネイティブ、Z世代の新入社員が感じることとの差をかなり感じました。
私たちは集合研修を知っているので、集合研修からオンライン研修への変化を心配していましたが、新入社員はそもそも集合研修の経験がないので、オンライン研修にもまったく抵抗がありませんでした(笑)デジタルツールへのアレルギーも全然なかったですね。
一方で、スマホ世代なのでブラインドタッチができない、タイピングスキルが落ちているなど、従来は当たり前にできたことができなくなっている状況も見られました。
とはいえ、全体としては、事前に心配していたよりも私たちの提供する研修はスムーズに受け入れられたと感じました。


Z世代の特徴は新入社員の設計でも意識していたのでしょうか?

新入社員研修

そうですね。Z世代は納得して動く、納得しないとやらない、といった気質があるので、それはカリキュラムやインストラクションにも反映しました。
またマナーを例にとりますが、昔はマナーといえば、“こうやります”と教えていましたが、今は“なぜこのマナーが必要か?”“マナーを知らないとどうなるか”の理由を丁寧に伝え、納得させるようにしています。
それと最初に課題をやらせてみて、できないことを理解させたうえでレクチャーするようにしています。学ぶことの必然性を感じさせてから、本編に入るという形ですね。
読む・書く・聞く・話す、といった基本動作はみんな“できる、できる”、と思ってしまうので、講義をきちんと聞かないのですよね。それでいて、実際に課題をやってみるとできない状況になってしまう。そうであれば、初めに課題をやらせて、“あれ?意外にできないな?”と思わせたうえで、レクチャーするとスムーズに受け入れてくれます。
そういったZ世代の考えを私たちも理解してカリキュラムに反映するようにしています。


ニューノーマルで特に力を入れたのはどういった点でしょうか?

今年から当社が力を入れているのは、デジタルネイティブラーニングです。
これまでは、テストの点数や受講者アンケートを取り、終わった後でしか研修の良し悪しがわからない世界でした。
それを学んでいる間に彼ら彼女らが何を考え、今どういったマインドにいるのかを見える化するために、HRアナリティクスを導入しました。


HRアナリティクスは具体的にどういった内容なのでしょうか?

新入社員研修

1つはパルスサーベイです。
チームとのコミュニケーションがうまく取れているか、自分の学習理解度はどうか、などの情報を日々とることで、彼ら彼女らの状態がリアルタイムで分かるようになってきました。
これは今年導入して効果がありました。期間中は講師や事務局もこの数字の動きをみながらクラス運営を調整したり、受講者に働きかけたりしていました。
それと、現在は考え方、時代の大きい変わり目になっていますので、新入社員の意識調査にも力を入れています。
経年で新入社員が会社に期待していることや、何を考えて仕事選びしているか、などを調査しています。
これについてもコロナ禍にある新入社員の姿を映し出すことができたと思います。


意識調査ではどのような結果がでたのでしょうか?

意識調査の結果としては、大きくバランス型、実直型、安定型、という3つのタイプがいることが確認できました。
バランス型は、会社、他者と程よい距離感を保ちつつ、面白い仕事をどん欲に追求したい、といったタイプです。
実直型は、仕事優先で苦労をいとわず、昇進昇格しながら長く働きたい、といったタイプです。NTTデータグループらしいといえるかもしれません。
安定型は、仕事もプライベートも両立させながらメンバーとして成長していきたい、といったタイプです。
一番多いのはバランス型で44%くらいでした。これは今のマネージャーたちが入社したころとはだいぶ様子が異なっているのかなと思います。
今後もデータで経年変化を見ていきつつ、人事部へもフィードバックしていき活用してもらいたいと考えています。


今後もHRアナリティクスは重要な位置づけになりそうですね。

新入社員研修

HRアナリティクスはテクノロジをどのように活用し、どのようなデータを取得するかが重要です。
例えば、今回ラーニングプラットフォームを導入し、プログラミングのログが残せるようにしています。これを解析して、どこで躓いたかのか、どこで振り返ったのか、何回でテストに合格したのか、といった情報を全てデジタルで取得し、今後の改善に活かそうとしています。プログラミングが未経験だったのに研修でぐんと伸びる人と、そうでない人はどこが違うのかとか、職場配属後にうまく適応できる人とそうでない人はどのあたりに違いがあるのか、といったことを分析していくつもりです。
オンラインの一番のメリットは全てのデータがデジタルでとれることだと思います。
データアナリティクスは難しいところもありますが、受講者のモチベーションや学習効果の見える化など多くの可能性を感じていますので、今後当社で積極的に取り組んでいき、強みにしていきたいと思っています。


近年、“DX人財“のキーワードをよく聞きます。若手でもアジャイルプロジェクトの担当になる人も増えていると聞きますが、新入社員研修でもDXの要素を取り入れているのでしょうか。

学習項目レベルでは、スタンダードなモノづくりを教えています。
ただし、アジャイル的なものの考え方や、対応の仕方は研修に取り入れています。
答えがない時代、覚えたことがそのまま使える時代ではないので、自分で考え解決する能力を教えています。職場でも、手取り足取り教えてくれるわけではないですからね。何か新しいことをしないといけなくなったときに、自分で情報収集したり試行錯誤したりしながら、何とかやっていくための心構えやスキルが身につくよう、設計しているつもりです。
具体的には、何が課題なのか自分で考える、その課題解決のために自分で調べる、または周りに聞く、といった能動的なトレーニングを繰り返しやっていますので、職場でアジャイルプロジェクトにアサインされてもそこは活用できるものと思います。


決められたことをやる、のではなく、自分で調べてやり方を探す、ということですね。

新入社員研修

そうですね。自分で調べてどうしても解決できないときは、うまく周りを巻き込む、チームのメンバーに聞く、講師に聞くことが必要となります。その際には“何が課題なのか?”“なぜできないのか?”が自己説明できないといけません。今の自分の状況を相手にわかりやすく説明する能力とか、質問の仕方はビジネス科目にくみこんでいます。
ビジネス科目とテクニカル科目は一見関係なさそうですが、私たちの新人研修は、ビジネス科目で学んだインプット、アウトプット、対人コミュニケーションスキルを使ってテクニカル研修における課題解決につなげるような全体構成になっています。
NTTデータグループはどんな仕事もチームや、プロジェクトで進めますので、チームワーク、協業するスキル、といったところは大事かと思っています。


最後に今後の新入社員の育成についてのお考えをお聞かせください。

NTTデータグループで採用される新人のスキル差はこれから広がり、より多様性を増していくと思います。
こうした状況に対してパーソナライズ化させたデジタルネイティブラーニングを確立していきたい、と思っています。ちょっと難しいですけどね(笑)
もう少しかみ砕くと、30人とか40人を1クラスにまとめて1人の講師が面倒をみるという従来の形ではなくて、個々の能力に合った学習内容を、個々の能力に合わせたペースで、デジタルベースで提供し、レベルアップに導いていくようなスタイルです。
また、ラーニングログを残して解析し、どんどんフィードバックしていくといったHRアナリティクスを強化していきたいと思います。
“なんとなくカリキュラム変えよう”ではなく、データドリブンでのカリキュラム設計、学習効果設計をやっていきたいと思います。


新入社員研修



■ profile
NTTデータユニバーシティ サービスディベロップメント部長 鍋島 七月
当社設立時に入社して以来、人材育成に関するコンサルティング、 各種サービス企画・開発に長年従事。
現在はサービス企画・開発部門の責任者としてDX人材育成や デジタルネイティブラーニング、HRアナリティクスを推進中。



NTTデータグループ 2021年度新入社員研修について

受講者

NTTデータグループ社員 約1,000名


研修目的

・ビジネス環境が高度化する中で、自律した社会人として一歩を踏み出し成長していくための基礎固めをする
・NTTデータグループ社員として求められる、ものづくりのできる人材となるための第一歩を踏み出す


研修スケジュール

2021年4月~5月末(約2か月)


研修構成

新入社員研修


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